こんにちは!
アイデアフラッシャーのにわです。
私は普段、オンライン会議を毎日のようにしているのですが、
バーチャル背景を使う人、発言する人/しない人、さまざまですね。
そのなかでも、頑なにカメラオフを貫く人、いませんか?
今回はそんな人への対応事例を、コミュニケーションデザインの観点からご紹介します。
オンライン会議でカメラはONにしておくべき?
どんな対応をしたか、の前に、
私自身の見解や立場をお伝えする必要があるかもしれません。
私自身は普段、こんな環境でZoomなどのオンライン会議に参加します。
【何も指定がなく、自分の自由にできるとき】
・工事や特段の事情がなければ背景はバーチャルにせず、お部屋のまま(カーテン)を映す
・明るい時間帯は自然光で、暗い日や夜の会議では明かりをつける
・カメラは常時ONにし、服装や会議のテーマに合わせてメイクをする
・マイクは、人数が少なければ常時ON、人数が多ければ発言時のみONにする
【お客様の会議に同席する場合、お客様のパートナーとして動くとき】
・お客様の会社ロゴの入ったバーチャル背景を作成し、許可を得て使用する
・カメラは常時ONにしておき、お客様に合わせてメイクやヘアスタイリング、服装を整える
・マイクは発言時のみONにする
バーチャル背景を使いたくなる気持ちはありますが、
相手との心理的距離をつくってしまうことから、
個人的にはバーチャル背景も好みません。
また、聴覚障害や視覚障害のある方、人生の先輩方ともずっとお仕事をしてきたり
お子さんや言語的コミュニケーションの難しい方とも接してきたため、
見えるもの、聞こえるもの両方で情報を送りたい、
表情を見せたいという思いが強く、カメラはONにしています。
「どうするのがおすすめですか?」と問われたら、
私自身の経験も、コミュニケーションデザインの面からも、
カメラはON、マイクも効果的にON、という形で、
必要以上にバーチャル背景で隠さないことをおすすめしています。
しかし、カメラONの状況ではリラックスできない人もいるでしょう。
実際に部下やチームメンバーでそういう人ともたくさん接してきました。
パフォーマンスが発揮できる姿でいることがいちばんなので、
そういう場合にまで強制する気はまったくありません。
カメラONだと緊張してなにも言えなくなります
カメラONだと、緊張して何も言えません
そんなご相談を受けたことがあります。
元々は、コーポレートPRの土壌を整えるために、
参画していたお客様の企業内で、あるスタッフさんがいつもZoomの画面に顔を出さないことが
問題になっていました。
その人に対して、
上司の方は「困っているんです」「ありえないでしょう」「マナー違反でしょう」と厳しいご意見をぶつけます。
ご本人に伝えたのですか、とお尋ねすると、
「言えるわけないでしょう」とのこと。
申し訳ない…私は口が悪いので―
いや、あなたがそんな感じだとずっとカメラなんかONにしませんよ
とお伝えしました。
上司さんは困った顔で、
「そんな、じゃ、どうすればいいんですか」
とおっしゃいます。
質問を変えました。
最近、部下さんとどんなお話をされましたか?面談はカメラONだったんですよね?
そのとき、部下さんはどんな表情でしたか?
普段の相談はどうされていますか?
お返事を、していますか……?
上司さんの答え。
いや、全部部下の望む応答をしていたら、私の身がもちませんよ
なるほど大変。
上司さんも、追い込まれていたのですね。
もしかしたら、上司さんの余裕のなさが敏感な部下さんに伝わっていたかもしれないこと、
上司さんも話を聴いてもらった方がよいので、さらに上の方とのコミュニケーション機会を増やすお手伝いをすることをお伝えし、
少しずつ少しずつ、かかわり方を変えていきました。
聴いてもらえないから、聴けない人になってしまう。
聴いてもらえないことが続くから、言わない・見せない状態が起きる―
これは、どこの企業でもあることかもしれません。
社長、顔出しNGなんで
ところで、私は社長自身が顔出しNG、というチームでもお仕事したことがあります。
少し珍しいかもしれません。
厳密な意味での顔出しNGではないのです。
プレイヤーの面々からすれば、「社長は都合悪いとき顔出しNGなんすよ」とおっしゃるのです。
私の知るその社長は、むしろ社交的で、メディア露出もいとわない方。
意外だなあというのが率直な印象でした。
はじめて社内会議に同席させていただいたときのこと。
本当に顔出しされませんでした。
バーチャル背景どころか、カメラが常時OFF。
接続されていないのではなく、故意にミュートにしているようです。
あえて空気を読まず、私は言いました。
「社長、カメラがミュートになっています。ネットワークが不安定でしょうか?」
10人超がその会議にいたのですが、驚きです。
ダイレクトメッセージで、それぞれに
にわさん、ダメですよ、社長は顔出しNGなんですから
あ~地雷踏んじゃダメじゃないですか!!
にわさん何やってんすか…
あー…ごめんなさい…
わざとです…
まるで弔事かのように、静まり返る空間。
ここで爽やかな風でも吹いてくれれば良いものですが、そうはいかなかったようです。
静かなついでにゆっくりと顔出しNGについてお尋ねしましたが、
お返事は「とりあえず進めてくれ」でした。
……
1分半くらい、沈黙が流れたでしょうか。
誰も口を開きません。ああ、ごめんなさい!
進めるように、とのご指示ですが進められるかと問うと、
進行役の方は首を横に振られました。
やっと出た、小さな小さな意思表示。
これを無駄にするわけにはいきませんでした。
外部の私のことはいくら嫌っていただいてもかまいません。
けれども、この首を横に振った方が報われないのでは、ちっとも変われないと感じました。
社長、申し訳ないことではありますが、
皆さん、これではお話が続けられないようです。
場を荒らしてしまいましたので、本日はお開きにして、
後日埋め合わせをさせていただきたいです。
そのかわり、本日は社長とふたりでお話しさせてください。
私なりの対決でした。
社長はようやく、カメラをONにしたのです。
放っておいてくれないか!
うちのことじゃないか!
いつもこれでやっているんだ!
うちはこれでやっているんだ!
「これでやっている」―
では、この様子をニュースレターに書けますか?
求人媒体に書けますか?
そこまでお伝えすると、
社長ご自身も10分後に戻ってくると約束し、
ミーティングをつなげておくことになりました。
強かったのはスタッフさんたちです。
なんと、その場から誰も去らなかったのです。
もう今日は話にならないから、戻っていただいていいですよと詫びを入れても、
「ここにいさせてほしい」と皆さんおっしゃったことには、逆に驚かされました。
社長に期待を抱いていたのでしょう。
これは、どの組織でもメンバーの本心。
リーダーには期待したいし、
リーダーのメッセージを、リーダーが作ってくれる空気や輪を待っているのです。
結局その社長とは時間をかけて打ち解けましたし、
ここに書くこともご承諾いただけました。
どれだけ時間が経っても、「にわの乱」と呼ばれ続けることには、
若干の申し訳なさを禁じ得ません。
カメラOFFはどこから始まる?
その前後も、さまざまな場でカメラOFF派の方に出会いました。
ご自身なりの理由があって、それを開示されている場合、
比較的コミュニケーションに問題は生じていないとさえ思います。
外見にコンプレックスがあるとか、
部屋が荒れていて見せたくないとか。
それを伝えることができていれば、心のカメラはONになっているのではないでしょうか。
最初は理由を話せなくても、
メンバーが、リーダーがコミュニケーションをあきらめなければ、
アレッ?いつのまに?と思うくらいに、
自然と心のカメラがONになっていきます。
それでも頑なに、理由も明かさず、
なんだかんだでずっとつけないタイプの方がいるとしたら―
もしかしたら、カメラOFFの方ご本人ではなく、
リーダー、経営者自身の心のカメラがミュートされているのかもしれません。
カメラをONにする勇気がほしいとき、
メンバーの対応に困っているときは、ご相談ください。
ご覧いただき、ありがとうございます!
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