こんにちは!
アイデアフラッシャーのNiwaです。
よくあるパターンのひとつですが、度重なるバトルを経て集客・お客さまの定着に成功した事例をお伝えいたします。集客に関するお悩みは最もご相談の多いカテゴリーでもあるので、3つのケースを取り上げながらご紹介します。
皆さまにも共感いただけそうなケースから―まずは見てみましょう。
事例1:採用候補者もお客さまも集まらない!広告でもダメ!?
採用広報・お客さま向け広報の双方ともに力を入れている企業さまからのご相談です。
概要はこちら。
- SaaSを主に取り扱い、IPOも視野に入れている
- グローバル企業であり、本拠地は北欧、最大拠点はアジア
- 国内のスタッフ数(業務委託含む)は現在80名程度。増やす意向
- to Bの事業がメイン
- 広告宣伝費は同規模の他社よりも多く計上しており、Web広告を積極的に使ってきた
- 採用広報:応募者の確保、お客さま向け広報:問い合わせ・アポ獲得がご希望
- ご相談当時、目標値に対する達成率は採用3割、お客さま向け広報2割
- 採用広報とお客さま向け広報は同一の担当者さまが担う
- 7つのSNSを使っておりほぼすべてのSNSでも広告を流している
- Web・SNS広告の運用は業者さまにおまかせしている
- 採用広報とお客さま向け広報では同じ媒体・アカウントを用いている
- SNS投稿は毎日行っている(休業日含む)
最初にお話を伺った際の第一印象はなによりも「こんがらがっている」ということでした。
自動ツールを使わず7つのSNSと他業務とを行ったりきたりするのでは忙しすぎるでしょうし、休業日まで毎日投稿されているとのこと…
「残業はどのくらいされていますか」の問いに、担当者さまは「ほぼゼロです!」。
いくらコピペで投稿するとしても、その集中力や作業スピードをほかに活かしたほうが…と言いそうになるのを抑えながらお話を伺いました。
SNS投稿やWebサイト等の内容を網羅的に確認して最初のセッションに臨みましたが、内容を吟味するようなお時間はどう考えても捻出できそうにありません。
さすがにすべてのSNSでコピペ投稿を繰り返しておられ、リプライやDMでのアクションにも定型文で返しているとのことでした。
根本改善を望まれたので、広報だけでなく広くPRの考え方・設計からお伝えし、一緒に計画や作戦から立て直して取り組まれています。
担当者さまが相当な頑張り屋さんであり、上層部からの期待もお強いために、お客さま企業と私も、何度も何度もお話しし、意見を交わし、試したいと思われることを気の済むまで試し、作戦を練る日々。
一見無駄と思われるかもしれないテストでエビデンスをとり、これまでの習慣を崩すことにも骨を折りました。
絞り込むところを絞り、「対話」を重視したPRに路線変更、利用媒体を再検討したことで、採用候補者・マッチ率、お客さまとの商談率・成約率すべてが前年のダブルスコアを超えました。
目標値の置き方自体も根本的に変えることになったため、目標達成率の前年比較は参考値程度にとどめました。
事例2:成功事例も大手のお仕事もポートフォリオもあるのに!全然受注できない
Webサイトやバナーを制作したり、ライターとしても活動されたりするフリーランスの方からのご相談です。
概要はこちら。
- インハウスデザイナーとしての活動実績が売り
- コーディングや写真撮影・動画編集にも対応できる
- 取材記事・SEO記事も執筆できるが、「ライティング案件の受注方法を教えてほしい」もしくは「仕事を紹介してほしい」
- スキル・実績不足が気になるので常に教材・学習費に月10万円以上費やしている
- どのジャンルでも良いので案件がほしい
- 4つのSNSを使っていて、メインは1つ。特定のハッシュタグをつけて作業報告を書き、毎日5回ほど投稿している(その日の仕事内容や稼働開始・終了時刻、その他食事・運動記録なども記載している)
- 日頃はクラウドソーシングサービス経由で受注しており、ポートフォリオサイトを公開している
お仕事の範囲も広く、活躍されているような印象を受けましたが、御本人の認識としては「全然売れない」とのこと。
拝見していたSNSのうち特定のひとつでの更新頻度が非常に高く、ほかは穏やかなタイムラインでした。
お仕事の具体的なことだけでなく、お仲間と思われる方々とのリプライもあり、周囲での人間関係を感じさせる内容も多くみられました。それだけでなく、細かなプライベート情報も書かれており、「赤裸々~」と思わずにはいられないのでした。
ご投稿内容にその方の作風からすると大きなギャップを感じたこともあり、ブランドイメージを洗い出すところから取り組むことに。
ポートフォリオの使い方や投稿についてのアドバイスももちろん行いましたが、ご自身のことを見直していく過程で「SNSのアカウントを作り直す」という決断をされ、そこからは吹っ切れたようなご様子でした。
ブランドイメージを練り直す段階で旧知の仲の方にたくさん会っていただきました(コロナ禍だったのでリモート含む)。
恩師に言われた一言がその方を大きく輝かせることになります。
「あなたは、私から見たらとても細かくて、そこを直すかどうかで点数は一点も変わらないだろうと思われるようなところでも譲らなかったよね。そういうところは、大人になって心の支えにしてほしい、いつまでも大事にしてほしい、あなたらしさだと思います」
この言葉から振り返りを進め、ご自身の核となるものに気づいていくプロセスで、徐々にご表情が変わっていきました。
後にこの方は、恩師へお誕生日のメッセージカードを送ることになります。
「一つひとつ、僕は時間がかかる人間です。でも、誰よりも丁寧に、真面目にやります。できないことはできないと伝えます。先生に自信を持ってご報告できるように精進しますので、またお会いしたいです」
その後はアウトプットされる作品にも変化が生まれていきました。
対面での人間関係からもお仕事が広がり、現在ではのびのびと、お仕事するのが楽しいとのことです。
事例3:毎日投稿しているのに!セオリーどおりにしてもダメ!?
ある飲食店オーナーさまからのご相談です。
概要はこちら。
- おいしくてボリュームのあるランチが売り
- クーポンサイト経由のお客さまもいたが、現在ではクーポンを出していない
- SNSの投稿を頑張れば集客できると聞き、セミナーや講座に何度も出かけ、受講費用もかなり支払った
- バズる方法を教えてほしい
- セミナー等で聞いた方法はすべて試しているが、成果が出ない
- クーポンサイトを使っていたときも、現在もお客さまの数は変わらないが、客単価が下がっている
- 4つのSNSを使っている。日替わりランチの写真を添え、バズりそうなハッシュタグを探してはすべてつけている
- 許可を得た場合はお客さまの写真を投稿し、その数が1日あたり複数件にのぼることもある
- 時間がかかるので本当はSNS運用をしたくないが、スタッフもいないので頑張っている
かなり頻繁に更新されているSNSのタイムラインやプロフィールを拝見してから、お話を伺いました。
「どうなると嬉しいか」との問いに、少し戸惑いながらオーナーさんの出した答えは「バズりたい」。SNS「運用」としきりにおっしゃるのも引っかかってしまいました。
一方でお料理のことやお店の周りについてお聞きすると、話がとまりません。
お料理もいただいたところ、本当においしくて!
あいにく私の拠点からは数時間かかるところにお店があるので、毎日通うというわけにはいきませんが、
こんなにおいしいランチがいただけるお店が近くにあったら、通い詰めてしまうこと間違いなし。
価格も安すぎるように思われたのでお尋ねすると、素材をご自身で作られていることや周囲からの提供も絶えないことを知りました。しかしその魅力は、タイムラインから見えてこないのです。
忙しそうなオーナーさんに「スタッフさんを採用しないのですか」とお尋ねすると、「だって、あんなにいい子はもう現れないってスタッフが、卒業しちゃったんですよ」。
学生時代にアルバイトとして勤務されていたスタッフさんは、お店が忙しいときにはいまでも手伝いに入られるそうです。
そんな関係性が愛おしくて仕方がないとお伝えすると、オーナーさんは照れ笑いしながら、持ち帰りのおかずを保冷バッグに詰めてくださいました。
表現されていない魅力をお伝えできるように伴走し、発信の方向性をアクロバットに変えました。
オーナーさんご自身が発信することには変わりありませんが、あるテクニックを使ってアプローチを変更してみると、少し客観視できるようになったそうです。
その後は「近所のあのお店、なんか面白そうだぞ!」という評判が広まり、インフルエンサーさんからの取材を受けるまでに。お店の回転が変わったので、スタッフさんを見つけなくちゃと笑います。
テクニックだけでなく「見え方」を意識する
細かな事情はすべて異なりますが、ご紹介した3つの事例に共通するのは、「テクニック」に心を奪われてしまうあまり、自社・ご自身がどのように見られているかが置き去りになっていること。
こればかりは、私自身も例に漏れず、自分自身が後悔したこともたくさんありますし、現在でも誤算することがたくさんあります。そのためにビジネスパートナーを頼り、客観視を手伝ってもらうこともあるほどです。
とくにSNSに関しては、気楽な反面、情報量が多すぎて混乱を招いたり、SNS投稿だけでお客さまを満足させてしまう「過剰サービス」になっていたり、プライベートやブランドイメージに合わないことまで投稿して、ともすればイメージを損なう結果になってしまったりすることが少なくありません。
デジタルタトゥーとして意図しない誤解や拡散のリスクがあるのも重要なポイント。
この点は、SNSがもつ双方向性とトレードオフになっていると考えられます。
心からのやりとりを期待して送信されたコメントや、重要な連絡(アポイントや求人への応募、店舗への問い合わせなど)にテンプレート的な返信をしたり、ともすれば見逃したりしてしまう―
といったことがあれば、一瞬のうちに悪評が立ってしまうこともあるでしょう。
考えて情報発信しなければならない、一方で考えすぎて発信できないのもマズい…
ということで、バランスをとるのが大切なのですが、
まずは「過剰に情報露出していないか」「情報を出すことで自分の値打ちを下げていないか」を確認してみるのがおすすめです。
過剰な情報露出がある状態、あるいは情報の出し方で価値を下げてしまっている状態を、
LOVEME&COMでは「情報露出狂」と定義しています。
物々しい字面から危機感が伝われば、と思います。
情報露出狂になっていない?チェックリスト
あなたやあなたの会社・チームは、情報露出狂になっていないでしょうか…
簡単なセルフチェックリストをつくりましたので、ご活用ください。
ビジネス・個人の活動をとわず、「ブランドイメージを大事にしたい」とか「集客したい」と考えていらっしゃる場合のSNSの活用についておもに思い浮かべてみてください。
- 内容を深く考えず、SNS投稿している
- 目的はさておき、毎日なにかしらの投稿を行うことが大事だと思う
- 内容や画像選びの統一感にはこだわらず、手軽なものを量産することが大事だと思う
- いいねの数やインプレッションを増やすためのテクニックがあれば、細かいことは考えず実践している
- ネタがないときはプライベートなことも書いている
- 外出時も含めて、基本的にすべてリアルタイム投稿を行っている
- いかなる場合にも、返信テンプレートやAPIを使って効率化している
- 熱々のお食事を前に気の済むまで撮影するなど、SNS投稿の内容を考えるために、目の前のことに集中できないときがある
- お役立ち情報を書かなければ意味がないと思うので、常に有料級の記事を書こうとしている
- 「いいね」やフォロワーの数がそれなりにあるが、お客さまになる・友人になるなど具体的な関係性には発展しない
10のうち半分以上あてはまる方は、少し露出が過激かもしれません。
ちなみに、学生時代よりMi◯iや個人サイト、各種SNSに親しんできた私の若かりし頃は、
上記のほぼすべてあてはまる状態でした。
それどころか、具体的な人間関係に発展しても裏切られたような思いをしたことや、各種のマーケティングスクールの受講につぎ込みすぎてパンクしそうになったこともあります。
いまでも昔の投稿に血の気が引くことがありますが、その時期の自分の思いを振り返ると、とにかく不安で仕方なかったものです。現在の自分からみて過去の自分に血の気が引くほうがマシだと思うほどです。
誰かからの反応が得られることで酔っていたこともあります。仕事のためにそんな余裕がなくなり、体調の変化で強制的に自分を見直さざるを得なくなって気づけたのは「自分の情報発信で自分の首を真綿で絞めていた」ということ。
情報露出狂になると、周囲に迷惑をかけたり、驚かせたりするだけでなく、最終的にご自身・自社が傷つくことにもなりますが、その変化が緩やかであるために、放置すると気づくのは随分傷が深くなった頃というケースが大半です。
ほんとうに大切にしたいものを守り、ご自身の魅力を正しく、大切な方に届けるために、
情報の出し方、見直してみてください。壁打ちが必要なときは、そっとお声掛けくださいね。
ちなみに、情報露出狂をどう英訳するかと考えてみる過程で、AIにお願いしたらあまねく “Information flasher” なる答えが返ってきました。
私はアイデアフラッシャーなので、親近感があるとかないとか。
ご覧いただき、ありがとうございます!
話しかけてみたい方は、公式LINEでもお待ちしております。