こんにちは!アイデアフラッシャーのにわです。
皆さんはいわゆる「中の人」ってどんな人だと思いますか?
今回は私の考える中の人像、向いている人ってどんな人?
そんなことをお話しします。
中の人について改めて整理
まず、中の人の定義を確認しましょう。
中の人とはスラングのようなものなので、明確な辞書的定義はないかもしれませんが、
おおむねこんな感じです。
1 着包みなどを着てキャラクターを演じている人。また、アニメーションなどで特定のキャラクターを演じている声優など。
引用:コトバンク https://kotobank.jp/word/%E4%B8%AD%E3%81%AE%E4%BA%BA-668807
2 外部から見た、特定の企業・組織などの関係者。裏方。
私じゃん。
演じているかはさておき、本稿において中の人とは表に見えているものの内側で発信する人、と捉えておいてください。
企業であれば広報・PR担当者、SNS担当者のような位置付けです。
SNSでは「中の人」という呼び名も定着していますよね。
私の「中の人」経験
私自身は会社員時代からたくさん(新規事業の1つ1つまでカウントすると、おそらくもう3桁超えていると思いますが、数えるのをやめました)「中の人」を経験してきました。
自社の中の人のほかに、副業や、独立してからも中の人として動いたりしますし、
いまでは一番多いパターンが「中の人を育てる」仕事です。
SNSのアカウントをプロデュースして、軌道に乗せてから中の人を引き継ぐこともあります。
PRの仕事って、楽しいです。
好奇心が主成分の私にとっては、もはやごちそう。
けれども、向いている人と向いていない人がいますので、
中の人を育てるお仕事にかかわるときには意識していることがあります。
中の人に必要な力。スキル?それとも?
ところで中の人って、どんなイメージでしょうか。
マメな感じ
文才があるとか、話し上手とか
見た目に自信のある人?
テクノロジーを使いこなす感じ?
いろいろなイメージがあるかと思います。
私は上の4つとも、必須条件ではないと思っています。
もっといえば、テクニックやスキルのような「能力」に位置づけられるものよりも、
重視していることがあります。
それは、
自社やプロダクトを愛すること。
広報やSNS運用の目的やKPIをおいて管理することもありますが、
採用広報にしろ、商品・サービスの訴求にしろ、
表に見えているもの、自分の打ち出そうとしていることのいちばんのファンであること。
これに尽きると思います。
不思議なようですが、
意外と偉い人でもできていないことが多いのです。
時が経ち、粗が見えて、イライラしてしまったり、
できないことを嘆いて文句ばかりになってしまったり、
ギスギスしてますます軌道修正ができなくなったりー
そんなときにも、中の人を正しく選び抜いていれば、
中の人はあなたのチームをハッピーな状態に導き、
自然と売れるようにもなっていくのです。
立て板に水のように話し、流れるように文章を書く人の伝えることよりも、
小さなお子さんが
「ままだいすき」
って書いてあるほうがグッときますよね。
「す」が逆を向いているかもしれなくても。どこかカタカナが混じっていたとしても。
ママもパパも先生も大好きで、結局何も書けなくなってしまってぐちゃぐちゃになっても。
だって、大好きパワーが猛烈だから。
そのくらい「推せる」力がある人が、
中の人、広報担当者、PR担当者には適任だと、私は考えています。
ちなみに私は、自分で言うのもはばかられますが、
なにかを好きになる力、ファンになる力、推し力は
かなり強いと自覚しております。
この人でいくの!?異例の抜擢人事
実際に中の人を抜擢したときのお話をしましょう。
その企業では明確な広報担当者がおらず、総務兼社長秘書という、大変多忙を極めるセクションの方が広報を担っていました。
新事業が始まるんですが、さすがに広報担当者がいないと無理かと…
いや社長、そのとおりですね。
いままでよく頑張ってこられましたよね…
そんなご相談から、広報担当者を選ぶことになりました。
新規採用も行いつつ、リーダーとなる人は既存メンバーから選出することに。
キャリアプランしだいですが、広報専任者になってもらってもよい、とのことでした。
40人ほどの会社だったので、すべての方と面談。
PRチームを組織することも考えて、複数人選ぶのも視野に入れつつお話を伺いました。
面談みたいな堅苦しい雰囲気だけでなく、
お仕事に混ぜてもらいながらスタイルを感じ取ったり、食事しながらお話ししたりというのがメイン。
そこで、とびぬけて私の心をつかんだ人がいました。
それは、技術職で普段は現場にいて、まさしく専門職の若手の方。
上司からもその技術は信頼されているものの、はっきりいって目立つタイプではありません。
けれども明確に、こうおっしゃったのです。
大庭さん。
うちの〇〇は世界を変えると思います。
これがもっと行き渡ったら、こんなにいいことがあるんです。
知られていない国の人にももっと手に取ってもらったら、良さがわかる。
プロならわかるんです。こんなに違うんですから。
うちのはずっとずっともちがいいんです。エコです。
どんな素材を使うより、はっきりいって一番エコでいいのはうちの製品ですよ。
社長より熱弁をふるう彼の話に、
私は引き込まれていきました。
専門職として現場に出て2年目、活躍も成長も嘱望されるいま…
彼のキャリアを考えたとき、ここで広報担当者になるのはどうなのだろう……
さすがに葛藤がありました。
しかし、会うたびに自社製品のすばらしさを語る彼は、
まちがいなく最高のPR人です。
こんな人にPRをまかせられたら最高やん…
意を決して伝えてみました。
実はPR・広報を担う人を探していること。
これから部署を立ち上げるが、あなたをそのリーダーに抜擢したいと考えていること。
社長にはこれから話すが、まずはあなたの意思確認や希望を聞きたいということ。
意外なことに彼は即答。
はい。やります。
やらせてください。
でも1つだけ条件があるんです…
大庭さん、それを聞いてもらえますか?社長に交渉してもらえませんか…?
エーッ、なかなかやるねえ!というその条件を聞き、
それにも驚きましたが、なんとも嬉しいご快諾。
彼を連れて、社長のところに交渉にいきました。
中の人候補の出した条件とは?
後日アポをとり、社長のところに赴きました。
先述の彼を伴っていたことに社長は驚きながら、
「もしかして広報ではないご相談ですか?」とおっしゃいます。
私から、彼をPR担当、できればリーダーに抜擢したいこと、
そして彼からのお願いを伝えました。
えーっ!!
まさかの人を挙げるもんですね!
ちょっとびっくりしているんですが、現場は大丈夫かな…
あ、でも、そういうことなのか?
そう、彼の出した条件とは、
現場にも週1回は出してください、というもの。
現場の感覚を忘れたくないのと、
技術職としてのスキルアップもあきらめたくないのとで、
資格取得も見据え、現場に出たい。
それが彼の望みでした。
会社側からは、
PR部署を立ち上げるところなので、現場に出るためにもしくは広報のために身体に無理のあることはしない、
残業や休日出勤をむやみにしない、という条件が付され、
社長のOKをいただくことができました。
OKをいただく前に彼自身が「自分の思いを伝えさせてほしい」と立ち上がり、
プロジェクターのスイッチを入れ、社長にプレゼンを始めました(私も驚きました)。
入社してから知った魅力。
自社の類まれな技術力、そこから勝ち取っている信頼。
これはもしかしたら世界を変えるかもしれないと本気で思っていること。
自分は広報のコの字も知らないが、本気でやってみたいと思い、本を5冊も買ったこと…
本5冊は追い込みすぎだよ!
と社長とともにツッコミを入れましたが、
自分の仕事や自社製品への熱い想いを知った社長は目に涙を浮かべながら、
「お願いします…」ともはや気圧されていました。
ベストな中の人を選んで、会社をHAPPYに
その後の彼の活躍は言うまでもありませんが、
約半年間かけて徐々に慣れていただき、
だんだん手を離して、いまはPRを自走されています。
社長は当初おっしゃいました。
明るくて開放的で、社交的な人がいいと思っていたんだけど、
まかせてみようか~
しばらく経ってから、
どちらかというとおとなしい彼にまかせてよかったよ。
社交的かおとなしいかじゃなくて、
あんなに製品愛の強い人はいないからね!
とのこと。
グッと集中して、お客様の声も聴きとるしくみをつくったことで、
中の人リーダーの持ち味が開花。
社内の声も聴き、現場のこともわかる彼は社内の空気もますます明るくしていきました。
新たに迎え入れたメンバーもそれぞれ活躍して、
すばらしいチームになりました。
あなたの会社の中の人は、どんな人ですか?
PRの適任者がわからない、これから立ち上げたい、見直したい、という方の壁打ちもお待ちしております。
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