
好きな人のことならなんでも知りたい。
そう思っていても、いつのまにか失われるときめき……
そんなものとは無縁?のお話が、年内最後のthe rendez-vous pointでした。
このコラムでは、the rendez-vous pointにちなんで、大庭やLOVEMEメンバー(LOVEME&COMの仲間たち)のランデブーポイント(振り返ってみれば、ここがあったからこそ決断できた、ここがターニングポイントにつながっていた、という時点)にまつわるエピソードをご紹介します。the rendez-vous pointの実際のセッションの一部をご紹介することもあります。
物語に集中するために、このコラム群は基本的に「文字中心」でお送りいたします。
ずっと見ていたいから
3ヶ月神話、3年リミット説……カップルの間に宿る情熱には、賞味期限があると言われますね。
あ、the rendez-vous pointは恋愛相談コンテンツではありませんが、ついにカテゴリーでいえば75%が恋の話になりました……まだ世界は捨てたもんじゃないぞ!
関係を持ちはじめて一定期間をすぎると、PEAが出なくなるとか、オキシトシン化するとか、いろいろ言われますが……今回のセッションでは、「それが来なさそう」(!)という、なんとも羨ましいお話です。
パートナーの方は、趣味が多く、お仕事も楽しんでいるタイプ。スキルアップに躍起になっているというよりは、単純に「世界が楽しすぎるんだ!」「私を◯◯が待ってんの!」というイメージの方のようです。
――目が離せない理由は、ご自身が放っておかれるとか、浮気されているかもしれないとか、そういうところからですか。
「いや、浮気とかは心配していないし、浮気されたとしても、それすら楽しんでいそうな人なので(笑)。でも、どんなにすることが多くても、僕のところには来てくれるんです。『こんなことしたよ!』『これ見て!』って、写真付きで報告が来ます。彼女のLINEに応えきれないくらいたくさん……」
幸せそうに画面をチラチラされたので、思わず遠い目にな……いーいーーなぁーーーーイヤッ、なっていませんとも!
そんな惚気話をお聞きしながら、彼が本当に彼女を愛していることも、伝わってきました。
――もっと、一緒にいたいなって思っているんでしょ。
「ハイ!だから……結婚しようって言いたいんです。付き合いだして3年くらいになるし。でも、それは彼女を束縛してしまうことになりませんか。」
ハイ!そのままいけー!全力でカマせー!
と言いそうになるのを抑えながら、もうひとつお尋ねしました。
――どうして、結婚したいと思いましたか。衝動じゃないと思うんですよね。
「ずっと見ていたいから。もっと応援したいから。」
彼の答えは、シンプルで明確でした。
――彼女が趣味や仕事に力を注いでいるのを見て、あなたは応援したくなるんですね。一緒にしたいっていうのはありますか。
「一部は、共通の趣味なんで一緒にするんですよ。でも、全部じゃないんです。楽しそうにしている彼女を見るのが幸せすぎて、もうどうでもいいっすね。それさえあれば仕事頑張れるし、僕もなにかしようって先のことを考えられるんです。それで、この笑顔を守りたいー!って感じっすね。」
あ、はい、完璧なご回答……もういてまえーーー!
もうひとつだけ、お尋ねしました。
束縛ってなんだろう
――彼女から、あなたに対しては「これ見て」以外になにかリクエストがありますか。
「週1回は、どんなに忙しくても会いたいって。帰りにコーヒー飲むだけでいいから会いたいって言われますね。いろんなこと一緒にしたい、もっと一緒にいたいと言われたこともありますね。」
――一緒に暮らしたいとか思わなかったんですか。
「いや、一緒に暮らしちゃうと、束縛するかなって思って、言えませんでした。あまりに毎日楽しそうだから。嫌なところも見えちゃうじゃないですか。」
彼女はもしかすると、一緒に暮らしたいと思ったことがあるのかも。そんな話をしながら、彼は一度、レビュー期限を置いて一緒に暮らしてみて、レビューのタイミングで、プロポーズしよう――と決断されました。
「束縛されたい人もいる」とは言いますが、本質的に束縛されて嬉しい人なんていないだろう、と私は思っています。
私自身は、束縛されると真綿で首を絞められるようにストレスがたまりながらも、おしこめて我慢して爆発してしまうタイプ。
物理的束縛=心の束縛になってしまい、言いたいことが言えなくなるのかもしれません。
彼女の趣味や楽しみを尊重するというバウンダリーがあって、彼自身にも生きる世界があり、「ねえねえ、これ見て!」「もっと聴かせて」のコミュニケーションが成立する状態。
これこそが、「いい関係」ではなかろうか、というお話をして、彼は優しく笑ってセッション終了となりました。
きっと、彼女さんのお話も優しい顔で、前のめりに聴くのでしょうね!
どうかどうか、お幸せに!くぅーっ!
I love you honey! で思い出したメニュー
彼女さんとこれからのことをコーヒー飲みながらするんだろうなあ、と想像しながら、仕事仲間のBenino COFFEEさんでいただいたコーヒーに、味変用のはちみつがついていたのを思い出します。はちみつとのペアリングで楽しむ一杯。
またニクいアレンジするよなあ。永井さん、秀逸です。


ずっとずっと、甘い甘いわけじゃない。
けれども、隣にいて、スウィートなのをわかっていて、とても大切な存在。
濃度も密度も、近づいたり離れたり、そんな伸び縮みする関係性も、とても素敵なカップルです。
おすすめの一曲
the rendez-vous pointでは、セッションのあとに大庭の思い浮かんだ曲をおすすめすることがあります。(毎回ではありません)
極力、ナナメの角度からお届けできるように、洋楽や少し古い曲を持ってくることがほとんどです。
今回のご相談者さまにおすすめしたのは、こちら。
CRAZY ABOUT YOU / 椿屋四重奏
私は椿屋世代で、バンド活動時にもたくさん触れてきた椿屋四重奏の曲のなかでも、異色の存在の一曲。
「誰も知らない君を見せて」と言いながら、タイトルそのままに「好き」が溢れる様子をストレートに伝えてきます。
一年の終わりに、年末年始に、ちょっと心がじゅわっとなる曲をどうぞ。
「もっと知りたい!」で終わる、2025年
私の2025年は、仕事の変化や立場の変化、環境の変化……
「破壊と再生」のような一年でした。
仕事は順風満帆ではなかったし、平気な顔をして進まなければならないことが苦しいときもたくさんありました。
それでも、プロデュースしている人たちの笑顔や最高の作品、お仕事にふれて、敬意で結ばれあって、私のプロデュース観がさらに研ぎ澄まされた時間でもありました。
一般的な、きらきらしたプロデューサーではなく、私はどちらかというと、サーヴァント。そう気づいて、「アイデアフラッシャー」はあくまで行動特性であることにも気づいて、サーヴァント型プロデューサーです、と表現を変えました。
プライベートでもたくさん傷つきました。
コミュニケーションデザインを生業にしていながら、一番したかったコミュニケーションデザインに失敗していたと悟って、声を上げて泣きました。人生をやめようとも思う日がありました。
そのぶん嬉しいこともありまして、細かいことは申しませんが、人間は愛を求めて、愛でつながって生きるものだという信念も再確認しました。
ちょっと気持ち悪かろうが、抽象的だろうが、私は愛を起点に生きていく。プロデュースしていく。とも。
プロデュースする人や組織、ブランドのことを愛しているし、そうでなければできません。わがままでもおこがましくても、愛していなければできません。
だから、お客さまも、一緒に働く仲間も、私にとってはパートナーなのです。
そんな、愛する仲間に恵まれて、愛されていることを確認できたら、以前の私ならば、切ない思いが去来しているものでした。
いつか、この人は離れてしまうのだろう。
いつか、この組織とは、お別れがきてしまうのだろう。
いつか、このブランドのおわりを見届けるのだろう。
って。
それが、ここにきてピュアな愛を受け取れるようになったことで、自分のなかにある好奇心と愛が結びついていきました。
やはり、私の構成成分は、99%が好奇心です。
変幻自在のあなたを、一挙手一投足を、周りを含めた一切合切を、もっとみせて。
刻々とかわっていくさまを、一緒に紡がせて。もっと教えて。
それは、今回のご相談者さまと同じ――愛する人を、組織を、ブランドをどんどん知って、まるごと愛し続けたい気持ち。
何年経っても「知りたい」「教えて」って、最高の幸せです。
2026年は、仲間と一緒にチャレンジをはじめます。
そして、現在本を全力で書いております。
……2025年は、ゴースト含め出版に携わること通算28件……まあまあヘヴィなスケジュールでしたが、物書き21年、AI時代とか言われつつも、これからもっと書いていくのだろうなという気がしております。
書籍ができたら、ぜひお手に取ってくださいね。人生をかけて、書いています。
とはいえ、プロデュースのお仕事ご依頼、お待ちしております!
あなたの2026年が、愛と好奇心にあふれますように。満たされる人で世界が満たされますように。
本年もありがとうございました。
ご覧いただき、ありがとうございます!
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